75 名前:1/3[sage] 投稿日:2010/11/25(木) 21:32:01 ID:UQrNXrcD
そう言われると書きにくいんだが、まとめていたし過疎なので投下
ちなみに日本贔屓の種はまいたが自分を含め日本人がアホ
傍目には行動も痛いし揉めそうなのでまとめからは除外して欲しいが、ずいぶんと昔の話をひとつ


今の季節から少し前くらいの、夏はとっくに過ぎたが紅葉にはまだ早い時期って
マイナーな山裾のキャンプ場ともなれば平日だと急激に人気が消えるんだわ
当時はまだ歴女なんて言葉もなかったし、歴史オタクの集団ともなれば異端でしかなかったため
こういう人気のない時期を選んでは、自分を含め日本史ヲタクの仲間数名で集まって
昔の料理のレシピ再現したり小道具持ち寄って使用感試したりって馬鹿をよくやっていた

この時も「忍者食をつくろう」と、芋の蔦を縒って味噌で煮込んだ紐や
岩塩だの豆だの鰻の切り身だの、兵糧丸(忍者の食料とされるあれ、クソまずい)の材料になるもの持ち寄って
ほかの利用者はいないキャンプ場で陣笠風鍋を焚き火にかけつつ、串に刺した魚をコテコテながら火の回りに並べ
じわじわと焼きつつ、担当した料理が一区切りしたした奴らはMy吹き矢で飛距離と精度競ったり
川原の近くで殺陣の練習したりしていた
(なんちゃって殺陣なので、剣道のようにしっかりしたものではなく
 録音したテープの音に合わせて打ち合ったり、無駄に回転したり飛び込み前転したりと
 ショーっぽいものをイメージしてくれるとわかりやすいと思う)

ヲタ集団なので集まると始終こんな状態なので、普通の家族連れに見つかると失笑されるし、
痛さが半端ない自覚はあるので前述のとおり人のいない時期にひっそりと開催することにしていたんだが
この日はなんか視線を感じてふと山裾の方を見たら、いきなり目があったがん味している米人×3人
どのくらい見られていたのかさっぱりわからないけど削った木刀片手に目が合うなり

Σ(゚∀゚*)「クェdrftgyフjニンジャー!」
Σ(゚∀゚*)「クァwセdrftgyサムライ!?忍者!!?うぇrちゅいおpサムライニンジャー!!」

川に隔てられた場所から濡れるのも厭わず突進し、怒涛の勢いで話しかけてくる


77 名前:2/3[sage] 投稿日:2010/11/25(木) 21:36:23 ID:UQrNXrcD
ぶっちゃけこっちは大パニック
一方高校生から社会人までいたにもかかわらず、情けないが誰一人まともに英語が一切わからない
だが何度も叫ぶ単語があまりに分かりやすかったため何を想像しているのかだけはわかったので、
ひたすらNO!NO!言いつつ逃げ惑う羽目になった

もともと近くにはハイキングコースも無いはずだし、地元民ならともかくなぜ外人さんが山から下りてくるのかも謎
西洋はようわからん。鎖国でいいよ日本文化最愛ってヲタばかりだったので余計にパニックだったが、
この三人の内一人が本当に片言の日本語が話せ、特に文字で起こせば大体の意思疎通ができたので
ものすごいエキサイト3人VS涙目集団という情けない状態ながら話を聞くと曰く、

「日本文化に興味が合って、友達を誘い休みを利用して来た」
「歴史にも今日もがあるので、○○寺を探していて迷った(ややマイナーな寺、道が結構違う)
「そしたらここで、ニンジャ集団にあってとても感動している」

とのこと。つまり迷子になってふらふらしていたら偶然出会ったらしい
一応否定はするものの、兵糧丸作るためにすり鉢でゴリゴリなぞの粉末精製していたり
陣笠使った味噌汁作ってたり、ちゃんばらして吹き矢吹いてただけにうまく否定もできず
それ以上に日本文化に興味がある外人さんが珍しかった&嬉しかったので、焼けた魚だしたり
「とてもまずいが昔のニンジャ食の再現だ」と薄い味噌汁飲ませてみたり
「1000年以上前からある日本の菓子だ」と蘇(菓子というかチーズに近いけど)出したりで持て成してみた

自分筆頭に日本人も結構現金だと思うが、向こうの人の慣れっぷりもすごかった
案の定味は微妙っぽかったが、アニメで見たままだったたとかで串焼きの魚はものすごいがっついてた
ついでに凝ったものはキャンプ場では作れないので弁当つくって持っていったんだけど
「この鶏肉おいしい!」といってくれたものが高野豆腐でつくった精進風唐揚げだったので
肉じゃなくて豆腐だと説明したが信じてくれなかったw


80 名前:3/3[sage] 投稿日:2010/11/25(木) 21:41:01 ID:UQrNXrcD
彼らの食事はパン屋で買ってきた食パン一斤とジャム
ちぎってジャムつけて食べるだけだがよかったら食べてくれというので
せめて炙るかと、魚やいていた焚き火とは別の場所に枯木盛って火打石で火をつけさせて見た
こんな石じゃ火なんかつかないというが、慣れればすぐにつくんだよね
コツ教えながら何度固めさせて、ほんとに火がついたことにものすごい驚いてた

もう一人は木刀もどきと吹き矢に興味があったので、使い方教えたり
刀の合わせ方とか体の回転のさせ方教えたりでそれなりに楽しんでいたが
三人のうち一人はそこまで日本に興味があったわけじゃないし、歴史もよくわからないからか
はしゃいでいたものの傍目には二人よりは楽しめてなかったっぽかったんだ
が、いい頃合に時間も過ぎたので記念に写真でも……とデジカメだしたらすごい食いついた
昔の文化には興味薄かったが、現代文化は興味津々だったらしい
ので、おやと思ってモバイルPC持ってた奴が取り出してみたら大興奮
デジカメで写真とった後、携帯用のプリンターで三人分すぐに現像したんだけど
プリンターの大きさと精度にもものすごい感動していた

残り二人はついさっきまで火打石使ってたニンジャーが電子機器取り出したことにポカーンとしてた
記念にと、写真裏に三人の名前を漢字で書き起こしたものを達筆な子が筆風のペンでさらっと書いたら
ヒャホーと喜びつつプリンターと写真と筆を見てますますポカーンとしていた
ついでに地図打ち出して寺までの道を教えてお別れしたが、これを気に
自分も日本を調べてみるといってくれたことがすごく嬉しかったよ

まぁそのときは良かったと思っていたが、今から思うと彼らは国に帰った後
「山で会ったニンジャー集団に、ニンジャ食をもらったよ。ニンジャが食べていた食事や
 1000年前からあるお菓子や、鶏肉なのに鳥じゃないチキンフライがあったんだ
 それから石で火をつけてチャンバラやって吹き矢で遊んだ後、こんな小さい
 プリンターで写真を印刷して筆で名前を書いてくれたんだ!」
とか言ったところで
「あぁジョン(仮名)あなた長旅で疲れているのね、今日はゆっくりおやすみなさい」
とか言われてそうで、ほかの人に信じてもらえるかどうかが未だに気掛かりだったりする