317 名前:名無しさん@おーぷん[sage] 投稿日:2019/01/25(金)14:33:01 ID:9OF
ちと長い話だが聞いてほしい。とある犬と私の話。

初めてその犬と出会ったのは私が小学生のころ。
帰り道でご近所さんが見覚えのない子犬を散歩させていたところに遭遇した。
めちゃくちゃかわいかった。ぬいぐるみが歩いているのかと思った。
心臓をがっつりつかまれた私はご近所さんの制止も聞かず、子犬に突っ込んだ。

「わおーーん!がるるー!」

すんげー吠えられた。ぬいぐるみが獣になった衝撃に呆然とした私にご近所さんが教えてくれた。
子犬は保護犬であること。どうやら人間にいじめられたらしく人間に対する警戒心が半端ないこと。
世間知らずな私には遭遇したことがない人嫌いな犬。
どうすればいいのかわからず腫れもの扱いに……とはならなかった。
むしろかわいさ倍増。人嫌い?なら仲良くなればいいじゃない!な思考から子犬に挨拶するようになった。

幸いご近所さん家は通学路にあったので朝夕にあいさつした。すぐに子犬は猛犬として有名になっていた。

「おはよー!」
「わおーーん!」
「○○ちゃんただいま!」
「ガルル!」
「やっ「わおーーん!」

こんな調子が何年も続き、10秒くらいこらえてくれるようになった大学生のある日。
静かだったので今日は散歩に行ってるのかな?と思いながら家の前を通ろうとしたら、
ご近所さん家の門の前で肩を落として座っている子犬(もう成犬になっていたけど)が!!

「○○ちゃんどうしたの!?」

慌てて近づくと、犬は吠えるどころか体をぴとっとくっつけてくるではありませんか!!
しかも何だかものすごく体が震えている……撫でてみても唸りもしない。
この犬は私の知っている犬なのだろうか。同じ毛皮を被った別の犬ではないかと本気で考えてしまった。
とりあえず門を開けて中に入れてやると元気になったが、デレは一瞬じゃなかった。
その日のうちから私が家の前を通るとすしっぽを振るようになり、門の隙間から顔を出すようになった。
手を入れるとペロペロなめて撫でろの催促。猛犬は相変わらずだが私に対しては吠えない。
ツンの時代が長かった分、デレ度に私のほうが追い付かなかったけど開き直ってめちゃくちゃかわいがった。

現在はすっかりおばあちゃんになってめったに姿を見れなくなった。
目もほとんど見えなくなっているのに、私が声をかけるとしっぽふってくれる。
また生き物を見送ることになるのかと思うと少し悲しい。
先日この犬の生存報告を久々に聞いたので書いてみました。