940 名前:ゲームセンター名無し[sage] 投稿日:02/06/06 19:22 ID:Eaud0mwU
ゲーセンで、小さな男の子がKOFをやっていた。レバガチャで、
見るからに初心者とわかるプレイ。昔の自分を見ているようで、
何やら微笑ましかった。俺は隣のストⅢをやりながら、横目で
その男の子のプレイを見ていた。
そこへ突然の乱入。見てみると相手は30前位のサラリーマン。
(…この子が負けたら、乱入してとっちめてやる)
そう思ってみていると、何やら様子がおかしい。サラリーマンも
なにやら初心者っぽいのだ。
程なくして対戦は終わり、男の子は嬉しそうに
「お母さん、僕対戦してかったよ!」
そう言っていた。
そして、俺への乱入。入ってきたネクロにボコボコにされて
向こうをみると、さっきのサラリーマン。


941 名前:ゲームセンター名無し[sage] 投稿日:02/06/06(木) 19:24 ID:Eaud0mwU [2/2]
「あー、あんたなんで負けたん?」
隣の筐体を指して言うと、
「この子(CPUに)負けそうだったし」
…なんだよ。ただの同情かい。ストⅢに負けてささくれてた俺は
そんなことを思って向こうをみてみる。今度こそCPUに負けて、
子供とそのお母さんは帰るところだった。
「ゆうちゃん、負けちゃったね」
「でもねお母さん、僕はじめて対戦で勝ったんだよ!」
「そう。よかったね、ゆうちゃん」
母親に連れられて、ゲーセンを出ていくゆうちゃん。
「…楽しかったかな。ゲーセンを好きになってくれると
いいんだけどね」
そのサラリーマンには、ストⅢだけでなく他の何かにも
負けた気がした。

そんな、梅雨前のある日の出来事。