744 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2009/07/30(木) 22:20:15 ID:LE3KPtkbO
この間法事があり懐かしくなったので書き込む。
中学2年生のとき、祖父が亡くなった。
普段は無口で、昔の人だから亭主関白。
仕事大好きで、唯一の趣味がタバコと野球観戦だった。
子供(私の父や叔母さん)にとってはめちゃくちゃ怖い父親だったらしいけど、
初孫の私のことは溺愛していて、すごく心配性で優しいおじいちゃんだった。
私もそんなおじいちゃんが大好きだった。
ベビースモーカーだからか肺とか呼吸器系をやられてしまって、咳とかひどくて、夜もあまり熟睡できてなかったらしい。
でも病院が大嫌いな人だったから、治療をほとんど受けず
「そろそろ強制的にでも入院させないと…」と家族が医者から言われてたところで、コロッと逝ってしまった。
その日は夏休みの途中の登校日で、私だけがおじいちゃんの最期を看取ることができなかった。
学校から帰ってきて愕然とした。
前日まで自分で車を運転して仕事場へ行ってたのに、こんな急に亡くなるなんて。
身近な人の死に接したのは初めてだった。
745 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2009/07/30(木) 22:23:27 ID:LE3KPtkbO
通夜、葬式と無事に終わり、親戚や家族は「ずーっと仕事仕事の人だったけど、これでやっとゆっくりできるね。良かったね。」と言ってた。
けど私はまだおじいちゃんがいなくなったという実感が全然湧かなかった。
だから涙も出なかった。
それから私の周りで不思議なことが起き出した。
といってもささいなことで、いつもおじいちゃんが座ってたソファーに人がいるのが見えたり、
おじいちゃんの気配がしたり、誰かが廊下を歩いているのが見えたり、
線香の匂いがしたり、タバコの匂いがしたり(誰も喫煙者はいない)。
匂いがするときに「線香くさい!」と言っても、みんな首をかしげるばかり。
ただ、弟にも同じ現象が起きていたらしい。(弟が匂うときには私は何も感じなかったし、逆もまた然りだった。)
こういうことが起きるのは家の中だけ。しかもはっきり姿が見えるわけじゃない。
たぶんだけど、私が怖がりだから姿は見せず、けど気づいてほしくてこんな手段をとったのかなと。
そんなことが一年ぐらい続いたある日、夢を見た。
746 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2009/07/30(木) 22:26:26 ID:LE3KPtkbO
両脇に部屋の扉が並んでいる廊下を一人で歩いていた。
全てが真っ白で淡く光る、不思議な場所だった。
ある部屋へ入ると、おじいちゃんがベッドで寝ていて、私に気づいて起き上がりにっこりと笑った。
その部屋は6畳くらいの広さで、ベッドの他にタンスとか机とかあって、
ああ、ここで暮らして順番を待ってるんだと直感で分かった。
あとから考えると、なんでそんな風に思ったのか、なんの順番を待っているのかよくわからないんだけども。
「ここではよく眠れてる?」と聞くと「よく眠れてるよ。安心してな。」と笑ってくれて、心の底からほっとした。
おじいちゃんが指差すほうを見ると、おじいちゃんがよく使ってたパソコンが机の上にあった。
と、次の瞬間、世界が揺れ始めて、私はおじいちゃんにぎゅっと抱きしめられて、目が覚めた。
会えたことが嬉しかったのか、元気で安心したのか、この世にはいないことを実感したのか、
私はおじいちゃんが亡くなってから初めて泣いた。
次の日、おじいちゃんが指差していたパソコンをいろいろいじってみたら、
ワープロソフトの中に書きかけの文章が保存してあった。
「○○へ。今まで散々迷惑をかけた。連れ添ってくれてありがとう。」
おばあちゃんへのメッセージだった。
そのあとに子供たちと孫である私たちの名前が打ち込まれてたけど、名前だけで終わってしまっていた。
それを見たおばあちゃんは、こんなふうに想っていてくれたなんて…と言いながら号泣していた。
その日から身の回りで起きていた不思議な現象はぱったりなくなった。
少し寂しいけど、思い残すことがなくなって現れなくなったのなら、本当に良かったと思う。
以上、長くなってしまいすいません。
この間法事があり懐かしくなったので書き込む。
中学2年生のとき、祖父が亡くなった。
普段は無口で、昔の人だから亭主関白。
仕事大好きで、唯一の趣味がタバコと野球観戦だった。
子供(私の父や叔母さん)にとってはめちゃくちゃ怖い父親だったらしいけど、
初孫の私のことは溺愛していて、すごく心配性で優しいおじいちゃんだった。
私もそんなおじいちゃんが大好きだった。
ベビースモーカーだからか肺とか呼吸器系をやられてしまって、咳とかひどくて、夜もあまり熟睡できてなかったらしい。
でも病院が大嫌いな人だったから、治療をほとんど受けず
「そろそろ強制的にでも入院させないと…」と家族が医者から言われてたところで、コロッと逝ってしまった。
その日は夏休みの途中の登校日で、私だけがおじいちゃんの最期を看取ることができなかった。
学校から帰ってきて愕然とした。
前日まで自分で車を運転して仕事場へ行ってたのに、こんな急に亡くなるなんて。
身近な人の死に接したのは初めてだった。
745 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2009/07/30(木) 22:23:27 ID:LE3KPtkbO
通夜、葬式と無事に終わり、親戚や家族は「ずーっと仕事仕事の人だったけど、これでやっとゆっくりできるね。良かったね。」と言ってた。
けど私はまだおじいちゃんがいなくなったという実感が全然湧かなかった。
だから涙も出なかった。
それから私の周りで不思議なことが起き出した。
といってもささいなことで、いつもおじいちゃんが座ってたソファーに人がいるのが見えたり、
おじいちゃんの気配がしたり、誰かが廊下を歩いているのが見えたり、
線香の匂いがしたり、タバコの匂いがしたり(誰も喫煙者はいない)。
匂いがするときに「線香くさい!」と言っても、みんな首をかしげるばかり。
ただ、弟にも同じ現象が起きていたらしい。(弟が匂うときには私は何も感じなかったし、逆もまた然りだった。)
こういうことが起きるのは家の中だけ。しかもはっきり姿が見えるわけじゃない。
たぶんだけど、私が怖がりだから姿は見せず、けど気づいてほしくてこんな手段をとったのかなと。
そんなことが一年ぐらい続いたある日、夢を見た。
746 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2009/07/30(木) 22:26:26 ID:LE3KPtkbO
両脇に部屋の扉が並んでいる廊下を一人で歩いていた。
全てが真っ白で淡く光る、不思議な場所だった。
ある部屋へ入ると、おじいちゃんがベッドで寝ていて、私に気づいて起き上がりにっこりと笑った。
その部屋は6畳くらいの広さで、ベッドの他にタンスとか机とかあって、
ああ、ここで暮らして順番を待ってるんだと直感で分かった。
あとから考えると、なんでそんな風に思ったのか、なんの順番を待っているのかよくわからないんだけども。
「ここではよく眠れてる?」と聞くと「よく眠れてるよ。安心してな。」と笑ってくれて、心の底からほっとした。
おじいちゃんが指差すほうを見ると、おじいちゃんがよく使ってたパソコンが机の上にあった。
と、次の瞬間、世界が揺れ始めて、私はおじいちゃんにぎゅっと抱きしめられて、目が覚めた。
会えたことが嬉しかったのか、元気で安心したのか、この世にはいないことを実感したのか、
私はおじいちゃんが亡くなってから初めて泣いた。
次の日、おじいちゃんが指差していたパソコンをいろいろいじってみたら、
ワープロソフトの中に書きかけの文章が保存してあった。
「○○へ。今まで散々迷惑をかけた。連れ添ってくれてありがとう。」
おばあちゃんへのメッセージだった。
そのあとに子供たちと孫である私たちの名前が打ち込まれてたけど、名前だけで終わってしまっていた。
それを見たおばあちゃんは、こんなふうに想っていてくれたなんて…と言いながら号泣していた。
その日から身の回りで起きていた不思議な現象はぱったりなくなった。
少し寂しいけど、思い残すことがなくなって現れなくなったのなら、本当に良かったと思う。
以上、長くなってしまいすいません。
管理人は他人や他人の過去に依存しすぎ
節操も侘び寂びも無い
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