360 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:04/07/21 17:52 ID:3qlRWsV9
ガキの頃にオヤジと川に釣りに行った。鮎釣りという特殊な釣りで常に川の
流れの中に腰の辺りまで水に浸かって行う釣りなんだけど、ガキだった俺は
何度も流されそうになった。その度にオヤジの腕が伸びてきてオレをガッチリ
掴んで助けてくれた。時にはオレのベルトの辺りを強引に掴んで助けてくれた。
それから20年近く経った今年の初夏にオヤジが体調を崩して倒れた。
幸いにも1週間ほどで退院できた。退院してしばらく経ってオヤジが鮎釣りに
行くというので、心配した母がオレに付いていくように言った。
オレも年老いて病み上がりのオヤジが心配だし付いていくことにした。
そして当日、午前中は順調に釣りを楽しんでいたんだけど午後になってポイントを
変更して少し流れがキツイところに移った。そしてオレは歩き回ってポイントを
探しているうちにかなり流れが激しく立っているのがやっと、という感じの
ところに入ってしまった。体力も限界まできたので流れの緩いところに戻ろうと
した瞬間、足を滑らせてこけてしまった。それを見ていたオヤジが流れを横切って
オレのところまで速攻できてくれて無言でニッコリ笑って手を伸ばした。
そしてオレの腕を掴むと流れの中からオレを引き上げてくれた。
ガキの頃と同じでその腕はゴツゴツしていて力強く逞しかった。
オヤジまた来年も一緒に行こう!