31 名前: 名無しさん@生活サロン板できました [sage] 投稿日: 04/10/02 18:13:56 ID:ilXz7FIG
そうそう>>29の話を読んで思い出した
 私が小学生の頃、近所に体の弱い同級生がいて
あまり外に出て遊べないので、よく彼の母親から遊びの誘いの電話があった。

 最初は近所の親同士が協力しあっていたのか、
両親から「あの子の所に遊びに行っておいで。」と言われていた。
あまり知らない家に突然遊びに行くのは、かなり勇気がいるので
他の友達を誘って遊びに行った。
すると彼の母親がそれはもう、ものすごい歓迎振りで私達をもてなしてくれた。
はじめはギクシャクだった私達も、2日3日と通いだせばそこは子供どうし
あっという間に仲良くなった。
 友達の少ない彼のために親達が計画した策略に見事乗せられたとはいえ、
私にとって彼はかけがえのない友人となった。
 もう完全に仲良くなった私達に、彼の母親はあいかわらず過剰なもてなしを
してくれたのだが、それが子供心に重荷に感じるようになった。
彼女も息子にできた数少ない友達を失わさせないように必死だったのかもしれない。
 ある日私は「これからも遊びに来るので、もうお菓子とかはいらない。」と彼女に言うと
彼女は突然涙を流し、私の手をグッと握り締めてしばらく放さなかった。
当時の私はとても困惑していた記憶がある。

 しかし、私たちが出会って1年程で彼は他界してしまった。
私の家が共働きのせいもあって、よく彼の家で夕飯をご馳走になった。
他人の家庭料理がおいしいと感じた事はこれ以降ない。
あの甘い卵焼きの味がなつかしい。