639 名前:大人の名無しさん[sage] 投稿日:2008/02/23(土) 16:01:55 ID:0ik1D1oj
母の死んだ時の事を書きます。

私の父母は小さい薬屋を営んでいました。今は郊外型のドラッグストアに押されて店をたたみましたが、
私の子供時代は家族で楽しく暮らしていました。
私は大学入学を機に上京、そのまま東京で就職して実家から足が遠のいていました。
就職して初めての冬のある朝、実家の兄から「お母さんが死んだ、早く帰って来い」と電話があり、急いで新幹線に乗りました。


640 名前:大人の名無しさん[sage] 投稿日:2008/02/23(土) 16:09:05 ID:0ik1D1oj
実家に帰り亡くなった母と対面しても実感は沸きません。涙も出ません。母の横で葬儀の準備をしてくれている
方たちを眺めていました。
実家は田舎なので、通夜の前に近所の親しかった人達がお悔やみに来ます。
その中に見たことの無い母子連れがいました。お母さんは40代位、子供は中学校の制服の男の子です。
そのお母さんは、父に御香典の袋を渡して言いました。


641 名前:大人の名無しさん[sage] 投稿日:2008/02/23(土) 16:24:29 ID:0ik1D1oj
「私はこの子が生まれた時とても貧乏で、ミルクもおむつも買えませんでした。
ここの店の〇さん(私の母)は、私にお金が無いのを知って『お金は後でいいよ、子供に可哀想な思いさせちゃダメだよ』と
いつもミルクとおむつを渡してくれました。その後お金を返しに来ようと思いながらもつい後回しになって、子供は中学生になってしまいました。
今日亡くなったと聞いてびっくりし、子供に話したら、子供が『オレの貯金からそのお金を払ってくれ』と言いました。
すみませんでしたすみませんでした」

泣いているそのお母さんの横で、私の家族はみんな泣いた。
他にも、母に助けられたという人達が沢山来た。
知らなかった。何にも。

今年13回忌、まだ辛いけど、前向きに頑張ります。
読んでくださった方、ありがとうございます。