132: 129 04/11/04 15:57:32 ID:TgUpYkrT
ではお言葉に甘えて思い出を。別の板にも書いたものですが。
長文ですいません。

動物病院に3ヶ月だけ勤めていたときのことです。
22歳になるオスの老犬が来ました。
彼はほとんど寝たきりで、飼い主が寝返りを打たせているので
床ずれがいくつも出来ていました。
意識はしっかりしてるのですが、ご飯も飼い主が食べさせている状態でした。
獣医師の診断では
「体は動かなくなっているけれど心臓が丈夫なのでしばらくは生きられます。
 けれど、本当にただ『生きる』だけです。」
そんなようなことを言っていたと思います。

そのあとはどのようなやりとりがあったのかはよくわかりませんでしたが、
おそらく安楽死を検討されたのでしょう。飼い主さんはかなり悩んでいたようです。


133: 129 04/11/04 15:57:55 ID:TgUpYkrT
一日たった日の終業後に飼い主さんは老犬を連れてやって来ました。
心電図をつなぎ、静脈に薬剤を注入し、静かに老犬は永遠の眠りにつきました。

その日、外は小雨が降っていました。飼い主さんは獣医師に
「タクシーをお呼びしましょうか」
と言われたのを静かに断り
22年間一緒に暮らした家族の亡骸をバスタオルに包んで
小雨のなかを歩いて帰っていきました。
飼い主さんが帰られた後、私だけ大泣きしてしまいました。

いまでも忘れられない思い出です。