283 名前:名無しさん@おーぷん[sage] 投稿日:21/02/10(水)21:08:10 ID:x4.ue.L1
10年ほど前の学生時代、お化けの出る家に住んでいた。
とはいっても当時はお化けだと気付いていなかった。

現れるのは必ず寝ている時、ドアが空いたような音がして風が吹いたり、窓を閉め切っているのに風を感じて前髪がふわっと浮いたりした。
そのうち足音がして布団に誰かが入り込んできて後ろから抱きしめられる感覚があった。
金縛りっぽい感じで、そっと抱きしめられて誰か確かめなきゃ!って動こうとすると動けなくて、やっと動くと汗だくになってるし誰もいない。

何かが動いているとかなくなっているとかそういうことはなかったけれど、1~2ヶ月に1回くらい布団での金縛りは続いていた。

何年も住んでるうち就職活動が始まったり、やっと出来た彼氏がものすごいクソ野郎だったり色々あったけど、相変わらずずっと金縛りは継続していた。

そのうち学生時代が終わりに近付いた頃、昼寝をしていたらいつものような感覚があった。
いつもは壁を向いて寝ているときに起こるのに、今日は部屋を向いていておかしいなと思っていたら、真っ黒な服を着た顔の見えない男の人が立っていて、私の頭を撫でてくれた。
起きあがろうとしたら消えて、見えなくなってしまっていた。
もう会えないんだと何となく感じて、何故か号泣してしまった。

それからは一度も遭遇しないまま大学を卒業して引っ越してしまったけれど、大人になってからやっとお化けの出る家に住んでたなって気付いた。
冷静に考えたらとんでもない事故物件だし、家賃も別に安くなかったし、最後なんで泣いたのかも謎だわ。
引っ越してからは一度もないし、やっぱ家の裏が墓だったからかな。