32 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2007/05/19(土) 09:44:29 ID:d6ZlfVWiO
小さい時に祖父母の家に預けられていた。そこは岬の麓で後ろに山、
目の前は海の広がるのどかな土地だった。ただ、家の周りは墓地で
ぐるりと囲まれていて今思うと結構オカルトな場所だったのかもしれない。
小さい頃は姉とよく墓地で隠れんぼをしたりお地蔵様とママゴトをしたりして遊んでいた。
祖母には遊んでもらったお墓にはちゃんとお礼をして帰ってきなさい
と言われていたから、日が暮れる頃にはいつも大きい声でありがとうと言っていた。
小学生の時に祖父が死に、そこの墓地に入った時はいつか会えるかもしれないと思い
日が暮れても墓の前から動かなかった。祖父には会えなかった。
それでも中学生になって引越すまでそこの墓地は私の遊び場だった。
夏のムッとするほど濃い緑の匂いや、雪の降り積もる中静かに佇む墓石達。
他の人にとっては心霊スポットかもしれないけど、自分にとってあの
墓地はいつも見守ってくれる存在だった。