307 名前:300[sage] 投稿日:2005/11/02(水) 23:46:34 ID:gjaGkNCs0
もう、10年以上前の話だ。
俺の連れは、その頃ちょっとした走り屋で、仕事が終わると毎晩のようにあっちゃこっちゃを
走りに行ってた。北摂霊園もその一つだったが、あそこは以前から他の奴らが色々妙なものを
みたと言ってた場所だ。
でも、俺の連れ─そうだな、(仮称)原田君としておこうか─は一度もそんなものに出会った
事がないから、その日もいつもの通りに走りに行った。
その日は週末だと言うのに、見知った車も少なく、肝試しの連中も居なくて本当に空いていた。
不審に思うより、それをラッキーに思った原田君は車線を目一杯使って走りを楽しんでいた。
何週目だったか、カーブを曲がろうとハンドルを切ろうとしたら、ハンドルが異常に重くて
回らない。(クソダラァッ!!)全体重をハンドルにかけ、とりあえずは曲がる事が出来た。
何でこんなに重いのか?アクセルを緩めつつ、ハンドルに目をやると、自分の両手の間にもう一つ
男の肘から先の右手がハンドルをしっかり握り締めている。
(こいつのせいか!!)激昂した原田君は、「アイハブコントロールじゃあっ!!」と言いながら、
右の拳で男の手を思い切りぶん殴った。ぐぼっ…と言う鈍い音と共に男の右手はすうっと消え、
後には、壊れたハンドルが残っていた。
「ボケがぁ…!!」そう一人ごちながら、前方を見た原田君の目に、ゲゲゲの鬼太郎でおなじみの
あの一反木綿そっくりの白く長いひらひらが、逃げるように霊園の中へ向かって飛んで行くのが
見えた、と言うお話。
ちなみにこの原田君、別の連れを乗せてここを走っている時、車の幅とほぼ同じ幅の大きな顔が
目の前に落ちて来、それを迷わず跳ね飛ばした(突き抜けた?)ことがあるそうだ。
本人曰く、「教習所の先生が『事故になりそうなら人以外は躊躇わず轢いてしまいさない』て
言うとったから」との事。