387 名前:水先案名無い人[sage] 投稿日:04/01/25(日) 21:53 ID:c14sZ2qK [1/3]

さよなら、にちゃんねる

テレビにニュース速報が入る。
俺は慌ててパソコンを立ち上げ、そして気付く。
「あぁ、2chは閉鎖したんだっけ……」
テレビからは現場の慌しい状況が伝わってくる。
もし2chがあったら、どういうスレが立っているのだろう。
重複スレが沢山できて、それで荒らしとかやってきて……
テレビでは相変わらず、レポーターが必死で現場の状況を伝えている。
可愛いレポーターだ。俺は、頭の中で「萌え~」というレスを
つけている自分を想像した。
後ろの群集がテレビに向かって挑発的なポーズを取っている。
「なんだ、あのドキュソ」「厨房氏ね」……
俺はたまらなくなり、無いとは分かっていながら再び2chにアクセスした。
しかし、画面には一言「閉鎖したのです。。。」とだけしか表示されない。
何度リロードしても変わらない。あの日以来、2chは止まったのだ。
どうやら犯人が逮捕されたようだ。相変わらず可愛いレポーターが
その状況を伝えている。
「さよなら、にちゃんねる」
俺はお気に入りから2chを削除し、そして騒がしいニュースを冷めた目で
見るのであった。


388 名前:水先案名無い人[sage] 投稿日:04/01/25(日) 21:54 ID:c14sZ2qK [2/3]
その日はいつもと変わらずに暑い日だった。俺は残った仕事を片づけようと、
一人オフィスに残ってパソコンに向かっていた。そろそろ仕事を切り上げよう
かと思ったその時、メールが送られてきたことを知らせる聞きなれた電子音
が鳴った。
「ん?」
俺はメールに目を走らせた。差出人は・・・知らない名前だ。
「いたずらか宣伝かぁ?」
あまり深くは考えずに、メールの中身をチェックする。
するとそこには、懐かしいあのキャラクターがあるではないか。
「モナー・・・」

もう3年も前になる。自らの巨大さに耐え切れずに陥落した超巨大掲示板
「2ちゃんねる」。その存在に終止符をつけたのは、今日のような暑い夏だった。
奇しくもその日は、俺の学生時代における「最後の夏休みの日」でもあった。
あれから社会人となり、そこそこ平凡な日々を送ってきた。だが2ちゃんねるが
存在していたときのように、気持ちが熱く高ぶることはほぼなかった。

モナーを見る俺の胸に、熱いものが込み上げてきた。モナーの輪郭がにじんで
見える。終ってしまった夏休み。俺は居たたまれなくなり、かつて2ちゃんねるが
存在していた場所へアクセスする。驚くことにそこには大きく「2ちゃんねる」の文字。
「復活しましたです。」飄々としたそのレスは、紛れもなくひろゆきのものだった。
規模は縮小されているものの、雰囲気はほぼかつてのまま。駄スレが乱立し煽りが
飛び交う。俺の腕は信じられないものを見たかのように、小刻みに震えていた。

終ってしまった夏休みが、帰ってきたのだ。


389 名前:水先案名無い人[sage] 投稿日:04/01/25(日) 21:55 ID:c14sZ2qK [3/3]
ミーンミンミンミーーン・・・
床板がきしむ縁側から、空を仰ぎ見る。
私は、この時期が来ると、決まってあの伝説の掲示板を思い出す。
「2ちゃんねる」
もう60年も前になるだろうか。
これが存在した時は、私の人生の黄金期だ。
閉鎖後、徐々にインターネットの規制が厳しくなり、
煽りやネタも忌み嫌われるつまらない世界になった。
大学を中退したことは後悔していない。
優良企業をやめたことも後悔していない。
幸いにも天職が見つかり、40近くにして妻も見つかった。

回想に耽っているところへ、孫が私を現実に呼び戻した。
私の持っているリモコンを指して言う。
「おじーちゃん、2チャンネルつけて。」
「ん、あぁ。2ちゃんねるか。どれ」
一瞬ドキッとしながら、ネットワーク3Dパソコンテレビのスイッチを押す。
しかし・・・2チャンネルは使われていなかったはずだ。
首を傾げながら、2のボタンを押す。
そこには、懐かしい壷の陳腐な2Dグラフィックがあった。
「逝ってよし!」「オマエモナー!」「1の主治医です」
日付は、2001年8月25日のままだ。
そうか・・・あのひろゆきの小せがれが・・・。
涙が止まらない。
60年ぶりに元厨房が作り出す駄スレの饗宴に酔いしれた。
ありがとうありがとう。。。






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