953 名前:本当にあった怖い名無し[] 投稿日:2008/01/19(土) 05:23:10 ID:U95deWEvO
俺らはストリート生まれストリート育ち。いつもこの場所でたむろってる。普段はバカ話してるだけだけど、たまに汚ねぇガキが俺達に何か持ってきたりして、
そういう時はイイあんちゃん気取って笑ったりもしてる。
最近は雪も降ったりして寒くなってきた。俺らはいつものように一列に並んで
ヨソ者が来ないかどうかガンを飛ばしてた。そこに来たのがあいつだ。
いつも辛気臭ぇツラしてトボトボ歩いてるジジイ。
半分ボケかかってるらしく、俺らを見つけるといつも「街に行っても商売できないんじゃ」とかグチを言ってくる。
俺らはいつも「あーはいはい大変だねー」とか、ヨッパライを相手にするようにテキトウに流してた。
それにしても寒い。ジジイがこっちに近づいてきた。そして、こう言った。
「地蔵様も寒かろう」
俺達に、自分の商売道具の笠をかぶせてくれた。端でガン飛ばしてたタカシの分だけ足らなくて、
ジジイのかぶってた笠まで脱いで…
ジジイが消えてから、俺の目から涙が零れ落ちた。
隣街の奴等を一人でフルボッコにしたサトルも、コワモテで恐れられてるトモも泣いてた。
そして決めた。
もう少し夜が更けたら、コッソリあのジジイの家に行ってやろう。
俺らが持てるだけのうまい物でも、あの家のババァが好きそうな和スイーツも持ってってやろう。
それが俺らにできる目いっぱいの感謝だから。

honwaka2ch
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しました