519 名前:おさかなくわえた名無しさん[] 投稿日:03/06/27(金) 00:54 ID:tXIGjog3
5年前に父が死んだ。
私が幼い頃から酒ばかり飲んでいて
酒を飲んでは若い奴と喧嘩して酒を飲んでは家で大声を出して大暴れ。
そんな父に会うのが嫌で私が中学生になる頃には
父に会わないように夜遅く帰るようになり社会人になる頃には
同じ屋根の下でももうほとんど顔を合わせる事もなくなっていた。

そんな時、私が長期出張することになり出発する日の寒い吹雪の朝。
私は迎えのタクシーを家で待っていた。めずらしく父も酒は飲んでいないようだ。
父が玄関の方にふと歩いていったがぜんぜん気にもとめなかった。
数分後、玄関のドアが開くと父が雪で真っ白になりながら
「おーいタクシー来たぞ~」と私を呼んだ。・・どうやら外で薄いシャツ1枚で
タクシーが来るのを待っていてくれたらしい。
タクシーに乗り込むとき、「頑張ってこい」と一言。私も「うん」と一言。
荷物を車に積み込んでくれる手が冷たさで真っ赤になっていた。
そして、見えなくなるまで私を見送ってくれた。それが父との最後だった。

父は私が出張中に妹の高校の合格発表の日、合格祝いの祝杯をあげるために
すでにほろ酔いのくせに酒を買いに出て交通事故に巻き込まれてしまった。

でも、今まで嫌っていた父との最後がしらふだったことが私の何よりの救いだ。
最後まで父らしい死に方だなーと思う。
そういえば幼い頃はやさしかったかなと思い出してしまった。