954 名前:癒されたい名無しさん[] 投稿日:2007/04/08(日) 22:50:01 ID:jr7AdLCI
俺は今でもあの時のとうちゃんの姿が忘れられない。

実家は自営で貧乏だったんだが、ある時とうちゃんが家族で東京ディズニーランドへ
行こうなんて珍しいこと言い出して、皆で1泊で行くことになった。
だが、旅行の前日に、急な仕事が入ってとうちゃんは徹夜することになり、納品してから
皆より遅れて来ることになった。
で、当日の夜、とうちゃんは徹夜明けでフラフラになりながらやってきた。今まで見たことない程
ひどく疲れ切った顔をしてね。
「新幹線は速いからあっという間だな。大丈夫、新幹線の中で寝てきたから」
なんて言ってやんの。

でも、俺知ってたんだよね。実は俺もとうちゃんと同じ新幹線に乗ってたんだ。とうちゃんは
知らなかったけど、どうしても抜けられない部活の試合があって、俺も遅れて行ったんだ。
自由席に並んでなんとか席を確保しほっとしていたら、偶然にもとうちゃんが同じ車両に
乗ってきた。職人で不器用なとうちゃんは、3列シートの真ん中に空いてる席があったのに
遠慮してか座ろうとしなかった。俺はそのとき、なぜだかとうちゃんが凄く恥ずかしい気がして
声を掛けられなかった。隣に1つ席が空いていたのにね。結局とうちゃんは東京まで立ちんぼだった。

そんなとうちゃんも亡くなり、今年で5回忌を迎える。俺はあのときなぜ声を掛けなかったのかと
未だに後悔している。
今でもあの時のとうちゃんの姿が忘れられない。