536 名前:名無しさん[] 投稿日:2000/05/08(月) 19:21
家庭の事情により、バスで幼稚園に通っていたことがあります。
バスは幼稚園バスではなく市営バス、周りは朝を急ぐ大人で一杯。
当時4歳の私にはみんなが誘拐犯に見え、座ることもできず
泣き続けていました。
やっとついたバス停にはかならず祖父母がいて、祖父は大きな
逞しい胸で泣きじゃくる私を抱き締め、なだめ、3人で手をつないで
幼稚園に行っていました。幼稚園が終わると、祖父母の住むアパート
に行き、夜まで過ごしていました。
私をかわいがってくれた祖父母が、たまに『特別』といって買って
くれたお菓子があります。デパートの食品売り場にあった、何g
何円という、回るワゴンに乗ったお菓子です。
好きなのを買いなさいと祖父母が見守る中、決まって買うのは
風船に入った丸い羊羹。羊羹といっても、今思うと子供騙しの味で、
なのに大好きでした。
あの時間の事を思うと、いつも笑っていたように思います。

その後幼稚園にバスで通わなくなり、祖父母と一緒に住む
ようになったのですが、祖父母と両親の間には、お金のからんだ
大人の事情というものがあり、いつも殺伐とした空気が流れていました。
私は徐々に祖父母に甘えることはなくなり、冷たい態度さえとる
ようになっていました。
その後祖母が他界し、しばらくして私は進学の為家を出ました。

たまに帰郷すると、祖父が小さくなっているのです。大きなはずの
胸は痩せ、足は驚く程細く、強かった足腰は今では杖を使う程です。
いつも涙ながらに私の帰郷を喜び、小さな私が泣きながら抱き着いて
いた話しをします。今がどうであろうと、冷たい態度をとってしまっても
祖父にとって私はいつまでも小さな女の子です。
今度帰ったら、祖父とたくさん話をしたいです。いつまでも長生きして
いつか私が産む(かもしれない)曾孫も可愛がってください。