168 名前:お好み焼き[] 投稿日:2000/03/18(土) 04:22
それは叔母がホスピスに移る少し前のこと。
叔母は乳癌が再発して肺に転移し、余命数ヶ月と言われていました。
遠くの大学に通っていた私は、帰省したときに叔母を見舞いに行きました。
叔母はこの時すでに告知を受け、病院を離れ、実家に戻っていました。

私が訪ねたとき、叔母はときどき咳をしつつ、お好み焼きを作っていました。
思い残すことがないように、食べたいものを食べておくのだと。
「○○君もどう?」 私の分も作ってくれました。
そのお好み焼きは本当に美味しかった。でも、
(あと数ヶ月でこの人はこの世から居なくなってしまうのだ。四十代の若さで)
そう思うと、悔しくて、悲しくて、胸が詰まってしまい、
私はほんの数口しか食べられませんでした。どうしても食べられなかった。
ごめん、さっき家で昼ご飯食べたからと言い訳すると
そう、と叔母は寂しそうに笑いました。

結局、これが今生の別れになってしまいました。
叔母を偲び、時折お好み焼きに挑戦することがありますが
どうしても、あの味には到達できません。
あのとき、自分も作るのを手伝ったのですが…
無理をしても全部食べておくのだったと、今でも悔やまれてなりません。