683 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・[sage] 投稿日:02/04/03 23:16
川島屋スレからのコピペ。


私は今でもそうですが、猫が恐ろしくて恐ろしくてなりません。
従姉妹が「チロ」という、白い雄猫を可愛がっていたのですが、
小さかった頃、私はこの猫にずいぶんといじめられたからです。
裸足で従姉妹の部屋を歩いたりすると、
隙を見て、かかとに噛み付いてきたり、
しゃっ!と鋭い爪でむこうずねをひと掻きしていくのです。
従姉妹の家に遊びに行くたびに、そんな目に遭いました。
今にして思えば、私のことを遊び相手……いい「おもちゃ」、
からかい相手にしていたのかもしれませんね。

その従姉妹は5年前、急に肝臓ガンで亡くなりました。
もういけない、という電話があちこち駆け巡って、
苦しむ従姉妹の周りに親戚皆が揃いました。
私も当然その中にいました。
従姉妹はもう、麻酔がなければ一刻もじっとしていられないほどの、
ひどい苦しみ方でした。見ていて辛くてなりませんでした。

ところが、沢山の泣きはらした目が見守る中、
もう意識が戻らないだろうと思われていた彼女が、
まるで親戚一同が揃うのを待っていたかのように、
ぽっかりと目を開けたのです。
そうして周りの皆にか細い声で「今までありがとう」。
そう別れを告げたあと、こう続けました。
「窓のところにチロが来てるの。
 私が迷わないように迎えに来たのね……」

従姉妹はその数時間後、息を引き取りました。
担当のお医者さんが伯母の方を見て、
ゆっくり首を左右に振った、その瞬間です。
私のむこうずねに鋭い痛みが走りました。
思わず声をあげたくなるほどの強烈なものでした。
すすり泣きが始まった病室をそっと抜け出して、
後ろ手にドアを閉め、外であわてて靴下を脱いでみました。
そこにははっきりと、猫の爪によるものとおぼしき、
引っ掻き傷が出来ていました。

従姉妹の言ったことは本当だったんだ。
本当にチロは来ていたんだ。
そう直感しました。
「大丈夫。俺が一緒について行くから」
きっと彼は彼なりに、
私にそう伝えたかったのかもしれません。

そう。
昔、さんざんからかって遊んだ、泣き虫のむこうずねを、
昔そうしたように、ちょいと引っ掻いて行くことによって……。




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