984 名前:おさかなくわえた名無しさん[sage] 投稿日:04/03/17(水) 17:42 ID:hBFlvOH1 [1/2]
9年前になる。
当時私は17歳で、1年間の留学の出発日だった。
起床予定より15分早く、何かに起こされた。
阪神大震災だった。
私の住む町は大阪で、さほどの被害はなかったけれど
電車は動かない。道は大渋滞。出発できない。

17歳の私にとって、留学という事への大きな不安と、
その出発に間に合わないのに電話が繋がらずどこへも連絡できない不安、
そしてすぐ近くで起こっている大惨事、日に日に増える死者の数への恐怖でただひたすら怖かった。


985 名前:984[sage] 投稿日:04/03/17(水) 17:42 ID:hBFlvOH1 [2/2]
当時は成田からの出発と決められていたので、
その3日後、京都からかろうじて動いていた新幹線に乗って出発した。
飛行機で13時間程の国。
空港に出迎えにきているはずの現地のコーディネーターがいない。

言葉もほとんどわからない中、かろうじて繋がった電話。
日本からの連絡が行ってなかったらしい。

その翌日、私のホストファミリーが待つ町へ飛ぶはずの飛行機に乗った。
これもコーディネーターが言っていた都市と違う。
でも、この時間に飛ぶ飛行機はこれだけ。

本当に合っているのかな?
知らない国、通じない言葉、あの混乱の中で離れた日本の家族を思って
不安で胸が張り裂けそうになり、涙を止められたなかった。

すると隣に座った現地のおばあちゃんが話し掛けた。
「どうしたの?家族と離れて辛いの?恋人と離れて悲しいの?」
色んな不安を言葉で説明できなかったので、ただただ頷いた。
「まあ・・大丈夫よ。大丈夫よ」
と言っておばあちゃんは私の手を両手で握り、手の甲にキスをした。
おばあちゃんの手はしわくちゃだったけど、とっても温かかった。
また涙が止まらなかった。

見知らぬアジア人の私に、分け隔てなくこんな風にしてくれて、この国の人の素晴らしさを体感した。
「辛そうにしている人がいたら、声をかけてあげよう」
そう決めた人生の一日、指輪物語が撮られた国でのできごとだった。