71 :加古川市民 :03/10/26 10:17 ID:1iMBPDoa
先週バイクを売った。

20の頃からツーリングを始め、一人旅が性に合ってるのでサラリーマンになっても
連休にはたいがい旅に出てた。

北海道を回ったヤシならわかると思うが、かの地をツーリングしてると、そのまま
移住してしまった人の話なんかをよく耳にする。中には「会社なんて電話1本で
辞められる」って勧めてくるライダーハウスのオーナーもいたり(w

そういうわけで、常に心のどこかに「俺にはバイクがある」っていうのがあって、
本気で仕事に打ち込めない自分がいた。俺の本業は『旅人』なんだと。

ところが俺も30になって、兄に子供が生まれたり、同い年の親友がマンション購入
したり、大きな仕事を一人で任されたり、「ケコーンしたい!」と本気で思える
女に出合ったり(別に彼女はいるのだが・・)、と俺を取り巻く周りの状況が
大きく音をたてて動き始めた。






72 :加古川市民 :03/10/26 10:41 ID:1iMBPDoa
>71続き

俺の器ですくえるものなんてたかが知れている。
もうフラフラしないでこの仕事で一生やっていこうと決意した。そのためには
どうしてもバイクは捨てなければならなかった。「バイクがある」という逃げ道
を断ち切るために。

最後の旅に出た。装備は前回のツーリングから帰ってきてそのまま丸めて押入れに
つっ込んである。それをまたCBの荷台にくくりつけるだけだ。
10月の連休、小豆島へ渡った。無人の海水浴場にテントを張った。水道はあったが
水は出なかった(w
温泉に入り、近くの酒屋で魚肉ソーセージとサントリーオールドを買った。
テントに戻ると流木を集めて焚き火をした。少し風は強かったが、焚き火の前で
飲む濃い目のオールドが心地いい。星は見えなかったが、最高の夜だ。

次の日は四国へ渡り、その日のうちに鳴門大橋~明石大橋を渡って帰ってきた。
今までのいろんなことを思い出しながら走った。どんな時もコイツと一緒だった。
家まであと少し。高速を降りた。もっと走っていたかった。右手でアクセルを捻り、
左手で、ちょうどレースの終った騎手が競走馬の首の辺りをポーンポーンと撫でる
ように、色褪せたタンクたたきながら走った。


73 :加古川市民 :03/10/26 10:54 ID:1iMBPDoa
>72続き

気がつけば俺は走りながら声をあげて泣いていた。涙が止まらなかった。
よくわからないがとにかく泣けて泣けてしょうがなかった。もう仕事も女も
どうでもいいと思った。このまま遠くまで走り続けたいと思った。
バイクを降りることについて、「俺にとっちゃあ、腕を一本失うぐらいの覚悟
なんやぞ」とうそぶいていたが、これほどつらいこととは思いもしなかった。


先週、俺のCBは10万円で業者に引き取られた。
いつもより広くなった玄関を見ると今でもキーンと切なくなる。





でもジジイになったらまた乗るつもり。今は一旦降りてるだけ。(長文スマソ)