704 名前:おさかなくわえた名無しさん[sage] 投稿日:04/08/19 18:22 ID:FcFXDXY1
小学生のとき、仲の良い友人が地方に引っ越した。
あとで彼からドラえもんの3巻を借りっぱなしだった事に気付いたけれど、
いつか会った時に返そうと大事にしまっておいた。
子供ながらにこの「ドラえもん」が彼との関係を繋ぎ止めてくれるものと感じていたのかもしれない。
最初はお互い頻繁に連絡を取り合っていたのだが、いつしかそれも年賀状のやり取りだけになっていた。
そんな彼が引っ越して十数年たった頃、彼の喪報が届いたのだ。 ガンだった。
仕事で彼の葬式に行けなかった私は後日、当時仲の良かった友人達と一緒に彼の実家を尋ねた。
彼の母親にすすめられ彼の部屋に入ると本棚にはビッシリと藤子不二雄関連の本が並んでいた。
私達がその量に驚いていると彼の母親が「ファンの域を越えてコレクターになってしまった。」と
少し誇らしげに話してくれた。
続けて彼女が「でも、ドラえもんの3巻だけがどこを探しても見つからないのよ。」と言ったとき、
私は慌ててカバンから本を取り出した。 今日、彼に返そうと持ってきたのだ。
それを見た彼女は「ああ、あのこはあなたが大事に持っていてくれると信じていたんだね。」と言って涙を流した。
私も止め処なく流れる涙をこらえながら、彼のコレクションにドラえもんの3巻を収めた。

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