71 名前:列島縦断名無しさん メール:sage 投稿日:2005/09/04(日) 18:56:45 ID:DpWQFO2E0
昔、俺が大学生で、晴海から釧路にフェリーが出てた頃。

TV見てたら急に北海道に行きたくなって、バイト代全額と全日本の道路地図だけ持って、
いきなりバイクで釧路行きのフェリーにのった。行けば何とかなるだろう。ただそれだけ。

寒いとは思っていたけど、想像以上に寒くて、まず着るものを買った。
勢いで根室まで走ってみた。国道とはいえ車通りも少なく、森の中を走る気分は最高だった。
バイクですれ違うと、向こうがピースサインを出してくる。驚いた。気がついたら俺もピースサインを
出していた。手をぶんぶん振りながら。

根室に着いたあたりで暗くなってきたから寝る所を探そうと思い、駅前をうろついてたら、駅にライダー
ハウスというのがあった。1泊500円。貧乏旅行には魅力的な値段だった。

そこには、俺と同じような奴が一杯いた。みんなテンションが高く、いきなり打ち解けて酒盛り。

初対面なのに、いろいろ話して仲良くなった奴と、次の日納沙布に朝日を見に行こうということになった。
納沙布は霧が出ていて、朝日は拝めなかったけど、日本の東端に来たという満足感で一杯だった。

帰り、海沿いに羅臼を目指そうとしていた俺は、声をかけてみた。
「俺、次で右曲がるけどどうするー?」「あー。俺まっすぐ行きたいー。お別れだー。」
「OK。気をつけてねー。」「そっちもー。」「ばいよー。」「ばいよー。」メットの前で軽く二本指を
振って会釈をして、あっけなく別れた。

曲がってみて気がついた。「俺、あいつの名前聞いてねえ・・・。」
急に笑いがこみ上げてきてゲラゲラと声を上げて笑った。
その瞬間に一人旅のとりこになったような気がする。

いまでは俺は、おっさんで、嫁も子供もいるけど、いまだにフラフラと一人旅をすることがある。
あの北海道ほどの感動はないけど、やっぱり一人旅からは離れられない。