278 名前:本当にあった怖い名無し sage 投稿日:2009/10/08(木) 15:04:18 ID:y5NAp6/90
おかんがようやく夢に出てきてくれた。
亡くなって十年。十歳になった娘の前には相変わらず出て来ていたらしいが
私の前にも相変わらず何も見せず感じさせず。
それでもあの時の夢に出てきたおかんと触れた手の感触はまだ覚えていて、
私には充分だった。
娘がインフルエンザに罹患したのが先週。
熱が高くて魘されて、不安がってるので娘の部屋で添い寝してた。
なかなか熱も下がらなくて、朝になったらもう一度診察行かなきゃかな、と
思いながらうとうとしてた。
温かいのにひんやり、としか言いようのない不思議な指の感触がした。額に。
食器を洗って手を拭いたあとみたいな感触。旦那かな、と思って薄目を開けたら、
おかんがいた。ベッドの傍に屈んで、娘と私の額に手を当ててた。
驚いて目を見開いたら、おかん笑ってた。声はしなかったけど、あのふわふわした笑い方だ。
私が小さい時に熱を出した時のように、「大丈夫だから寝なさい」って感じで
目を覆ってくれて、目を閉じたら頭を撫でられた感じがした。
猫が頬擦りするような毛の感触を顔に感じたから、ミルちゃんもいたのだと思う。
髭の感触もあった。
起きたら娘の熱は下がってて、「おばあちゃん来てくれたね」って笑って言う。
涙出そうになったけど、なんか恥ずかしくて「お彼岸に本気で作ったおはぎ上げたから
お礼しに来たんだよきっと」って誤魔化した。
見えないけど、やっぱりいてくれてるんだな。
生きてるうちもっと沢山沢山話せば良かったって、十年経ってもまだ思うよ。
あなたのような母親になりたいと、私はずっと思ってる。
おかんがようやく夢に出てきてくれた。
亡くなって十年。十歳になった娘の前には相変わらず出て来ていたらしいが
私の前にも相変わらず何も見せず感じさせず。
それでもあの時の夢に出てきたおかんと触れた手の感触はまだ覚えていて、
私には充分だった。
娘がインフルエンザに罹患したのが先週。
熱が高くて魘されて、不安がってるので娘の部屋で添い寝してた。
なかなか熱も下がらなくて、朝になったらもう一度診察行かなきゃかな、と
思いながらうとうとしてた。
温かいのにひんやり、としか言いようのない不思議な指の感触がした。額に。
食器を洗って手を拭いたあとみたいな感触。旦那かな、と思って薄目を開けたら、
おかんがいた。ベッドの傍に屈んで、娘と私の額に手を当ててた。
驚いて目を見開いたら、おかん笑ってた。声はしなかったけど、あのふわふわした笑い方だ。
私が小さい時に熱を出した時のように、「大丈夫だから寝なさい」って感じで
目を覆ってくれて、目を閉じたら頭を撫でられた感じがした。
猫が頬擦りするような毛の感触を顔に感じたから、ミルちゃんもいたのだと思う。
髭の感触もあった。
起きたら娘の熱は下がってて、「おばあちゃん来てくれたね」って笑って言う。
涙出そうになったけど、なんか恥ずかしくて「お彼岸に本気で作ったおはぎ上げたから
お礼しに来たんだよきっと」って誤魔化した。
見えないけど、やっぱりいてくれてるんだな。
生きてるうちもっと沢山沢山話せば良かったって、十年経ってもまだ思うよ。
あなたのような母親になりたいと、私はずっと思ってる。