605 名前:大人の名無しさん[sage] 投稿日:02/11/23(土) 01:13 ID:Q2hIp5kG [1/5]
ここ読んでて自分も誰かに話したくなってしまった。

 母が再婚し幸せになった。私は県外で暮らしていたのだけど
 新しい父が「仕事がないならこっちへ来い」と言ってくれたので
 恐縮しながら新婚家庭へ居候を決めた。
 父は肝炎だとは聞いていたが夜勤続きのせいか体調が悪いと言うので
 病院へ行くことを強く勧めた。





606 名前:大人の名無しさん[sage] 投稿日:02/11/23(土) 01:20 ID:Q2hIp5kG [2/5]
検査入院の日、母は医師から父が末期肝癌であると宣告された。
「お父さんは寂しがり屋だから付き添いしてね」
「お父さんは怖がりだから何聞かれても検査入院で押し通してね」
お中元配達のパートをしていた母に頼まれた無職の私は
父の好きな甘いモノを自転車に積んでは病院に通った。
新しい父は本当に面白い人で病院でも人気者だった。
"父親"っていいなぁと初めて思った。


607 名前:大人の名無しさん[sage] 投稿日:02/11/23(土) 01:23 ID:Q2hIp5kG [3/5]
3週間後、容態が悪化した。
「制癌剤を投与すると肝硬変が進む。
肝硬変を抑制する薬を投与すると癌が進行する。
どうにも救えないから手術はしない」と医師は言った。
日々腹水が大きくなり移動は車椅子になった。
腹が苦しくて、腹が減ってるのに飯が食えんと父は嘆いた。
食事の変わりにアイスクリームを匙で口元に持っていくと
美味いと泣きながら父はそれを舐めた。

その頃の私は病院に泊り込みながら
母のパートが落ち着くまで父の命が持つ事を祈っていた。
出来るだけ長い時間夫婦水入らずで過ごして欲しかった。
でも心のどこかでは、腹痛で眠れない父に付き合っていた疲れから
出来るだけ早く母と交代したいと思っていた。


608 名前:大人の名無しさん[sage] 投稿日:02/11/23(土) 01:26 ID:Q2hIp5kG [4/5]
最後の日の昼食に玉子豆腐が出た。父の好物だった。
無理をしてもそいつを食いたいからとっといてくれと頼まれた。

その深夜、私がうたた寝している間に、父はナースコールを自分で押していた。


609 名前:大人の名無しさん[sage] 投稿日:02/11/23(土) 01:31 ID:Q2hIp5kG [5/5]
明け方父は静かに逝き、それを皆で見送った。
病室を片付けている時、冷蔵庫から玉子豆腐が出て来た。
立っていられなかった。玉子豆腐抱えて大声で泣き叫んだ。何度も謝った。
我が子でもないのに「うちがお前の実家だ」と当り前の事として私を迎え、
一番苦しかっただろう深夜にちゃんと看てなかった事を一言も責めず、
そんな一つひとつのお父さんの気持ちがこんな時になって一気に沁みた。

母は今でも「お父さんは感謝してるよ」と言ってくれる。
でも私は一生ごめんなさいと言い続けると思う。
夏に彼氏と家族の話をしていて急に思い出し泣いてしまった。
訳も判らず宥めてくれた彼氏に悪いことしたなと思う。
もう別れたけどあの時は黙って慰めてくれてありがとう。


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