716 名前:大人の名無しさん[] 投稿日:05/02/04(金) 21:58:03 ID:ii/RW10P [1/3]
動物ネタですが、大丈夫でしょうか。

私の実家は酪農家でした。常に80頭ぐらいの牛がいて、私は毎日父と母の
仕事ぶりを見て育ちました。
動物のいる生活はとても楽しく私は幸せでしたが、やはりそこは動物。
時折突然体調を崩して翌朝には冷たくなっている牛を見ることもしばしば
でした。

ある日、ある牛が転んで後足の付け根を骨折しました。
私が学校から帰ってくると、その牛は苦しそうに息を吐きながら必死に
耐えていました。
私はその牛に触ってみました。熱がありました。
バケツに水を汲んでタオルを骨折した患部に当てました。熱くなったらタオル
を取り替えて、それを繰り返しました。
夕飯をはさんでまた冷やしたけど、さすがに一晩冷やしてあげることはでき
ませんでした。




717 名前:大人の名無しさん[] 投稿日:05/02/04(金) 22:17:44 ID:ii/RW10P [2/3]
翌日学校に行く前に、「できるだけ早く帰ってくるからね」と私はその牛に
言いました。親が「今日あの牛を出荷しよう」と言ってたのが聞こえたから
です。
授業が終わってから、大急ぎで学校から帰ってきました。
あの牛は畜舎から出されていました。
ほどなくして出荷のトラックがやってきて、牛を積みこみました。
出発する前に大人たちがみなトラックから離れたので、私はトラックの荷台
にあがって最期の手当てをしました。
「ごめんね。昨日ずっと冷やしてあげられなくて・・・」そういってタオル
をあてた時でした。
その牛は、あごで私を引き寄せました。
一瞬角で突かれるのかと思いましたが、牛はそのまま私を自分の首に押し付けて
じっとしています。
私は涙が溢れてきました。
最期の、挨拶なんだ。
「助けてあげられなくてごめんね」私よりもはるかに大きな体に、私は手を
回しました。まだ熱くて、息が上がっている。夕べずっと苦しい思いをして
いたんだ・・・中途半端な介抱しかできなかったのに、それでも「ありがとう」
と言われているような気がして私は涙が止まらなくなりました。
少しすると大人たちがやってきて、トラックが出発しました。
私は何もすることができませんでした。ただただ、見送るしかできませんでした。

あの牛はどんな思いで死んでいったんだろうと思うと、20年以上たった今
でも切なくなります。


719 名前:大人の名無しさん[sage] 投稿日:05/02/04(金) 23:06:53 ID:5Qa5Sapj
その牛は、最後まで貴方の事を考えていたかもしれない。
願わくば、貴方の最後にその牛が付き添わん事を。


720 名前:大人の名無しさん[] 投稿日:05/02/05(土) 00:12:38 ID:D/S5gA1W
>>716
それを生業にしてるのだから家畜といえばそれまで

ただし、あらゆる生を貪って生きてる人間だからこそ、その尊さを知るべしと思ふ

あなたの優しさはきっと牛に通じてると信じたい
良い出会いでしたね