445 名前:大人の名無しさん[] 投稿日:02/03/20(水) 05:02 ID:FHNT3CHJ
学生時代、卒論の真っ最中に幼馴染が事故で急逝した。
家族ぐるみの付き合いのあった友人だったので、そのショックは大きかった。
葬儀に行くと友人の母が気丈に振舞っていたのが胸を締め付けた。
「本当に来てくれてありがとうね。笑顔で見送ってやってね。」
私は泣くまいと、笑顔で送ろうと強く思った。

葬儀が終わり皆が解散し始めた頃、私は一人式場で遺影と向かい合っていた。
祭壇の横には友人の数々の思い出の品が置いてある。
その中に、幼稚園の頃の写真を見つけた。二人並んでおどけた表情で写っている。
こみ上げるものを抑えながら、他の写真を眺めた。
小学校。中学校。どれも一緒に写っている写真があった。
それを見た瞬間、何もかも堪えきれなくなった。
声を上げ、一人泣いた。
「お前の家は俺が設計してやるからな。」
建築学科に通っていた友人の言葉が頭を巡った。
約束破りやがって・・・
そう呟き、また泣いた。

数日後、まだ現実味も沸かぬままゼミに行った。
元々サボり症のあった私は、ゼミの友人に茶化された。
教授には伝えてあったが、皆には話していないらしい。
嘘だと思われているのだろうか。
私は「風邪だよ」などと何故か本当のことを口に出来なかった。
その日は努めて明るく振舞っていた様に思う。
その夕方遅く、溜まっていたレポートを出しに行くと、
教授はソファに掛けるよう促し、お茶を出してくれた。
そしておもむろに「君はご両親は健在か?」と聞いてきた。
高校時分に父を無くしていた私は「いえ、5年前に父が他界しました」と答えた。
すると教授は自分の事を話し始めた。
早くして奥さんを亡くした事。ちょうど私と同じくらいの子供が居る事。
ひとしきり語ったところで、私の目を見てこう呟いた。
「ゆっくりでいい。無理はするな・・・」
それを聞いて涙が溢れてきた。
今まで物分りの悪いじじいとしか見ていなかった教授が、
自分を気遣っていたことが、激しく胸を打った。
「はい・・・」
辛うじてそう言った後、肩を震わせ泣いた。

駄文・長文ご容赦下さい。