ほんわかMkⅡ : エースアタッカーだった姉

235 名前：水先案名無い人[sage] 投稿日：04/02/14 02:02 ID:zPot4gkC
漏れの姉が高校２年のとき、姉が入っていたバレーボール部が県大会の
ベスト１６まで進んだことがあった。
別に優秀な監督がいるとかじゃなく、だいたい１～２回戦負けの部がそこまでいった
のは、エースアタッカーだった姉が、一生懸命部員をひっぱっていたからだと思う。
あと１回勝てばベスト８だったが、惜しくも負けた(１セット目だけ取った)。
夕方帰宅した姉「負けちった」。玄関で靴を脱ぎにくそうにしてるので、
俺「足どうかした？」姉「試合中、ちょっとね。たいしたことない」
ちょっと経って、漏れがトイレに行ったら壁一枚隔てた風呂から姉の声がした。
「ぐす。うっ。ひぐっ...」どうやら声を殺して泣いてるらしい。
そのうちこらえ切れなくなったのか「うわぁぁん」と声を上げて泣き出してしまった。
漏れは居たたまれなくなり、自分の部屋に戻ってじっとしていた。
しばらくして風呂から上がってきた姉が、隣の自分の部屋に戻るのが聞こえた。
心配になって部屋に行ってみた「どうしたの」
部屋は薄暗かったが、姉の目が泣き腫らして真っ赤なのはすぐわかった。
「足、ひねっちゃって、跳べなくて、打てなくて...」そこまでようやく言った
姉だが、しゃくり上げ始めたかと思うと、またたまらず「うわぁぁん」と
泣き伏してしまった。
厨房だった漏れは慰めることもできず、一緒に泣いた。
買い物から戻った母が事情を察して姉を泣きやませてくれるまで、
漏れは自分の涙を止めることができなかった。
あの時の姉は、最高に光っていたと思う。