74 名前:大人の名無しさん[sage] 投稿日:02/07/29(月) 00:32 ID:JOfhCTsZ
昔はお父さんがいた。
ある時からお父さんはうちに帰ってこなくなった。
たまに帰ってきてもすぐに出ていってしまう。
でもわたしと会うと笑いかけて大きな手で頭をなでてくれた。
そんなお父さんが大好きだった。
その日朝起きるとお母さんとなぜかお父さんがいた。
「今日はお前の誕生日だろう?遊園地に行こう。」お父さんが言った。
みんなで近くの遊園地に行っていっぱい遊んだ。
デパ-トに行って欲しかったリカちゃん人形とリカちゃんのお家も買ってもらった。
最上階の食堂でお子さまランチとチョコレ-トパフェも食べた。
本当に楽しかった。夢みたいだった。
楽しい気分のまま眠りについて翌日目が覚めるともう父はいなかった。
そして2度と家に戻ってくることはなかった。
一度だけお母さんに「お父さんどうしてお家に帰ってこないの?」って
聞いたことがある。
お母さんは後ろを向いてうつむいたまま何も答えなかった。
体が震えていたからたぶん泣いていたんだと思う。
お母さんは何も答えてくれなかったけど、お父さんはもう帰ってこないんだって
何となく分かったからそれから私はお父さんの事を聞かなくなった。
あれから20年。お母さんはもうこの世にはいません。
父も生きていれば今年で65。どこかの街角ですれ違うだけでいいから
もう1度会いたいです。