350 名前:おさかなくわえた名無しさん[sage] 投稿日:2010/01/09(土) 22:57:37 ID:o/y8YcZH
頭ぱっくりで思い出した訳じゃないけど、高校2年の頃。
文化祭を週末に控え準備中。校門でゲートの設置作業をしてると
机上に椅子を置いただけの簡易脚立からバランスを崩した友人が頭から落ちた。
一瞬周囲が固まった中でたった一人、偶然居合わせた友人の兄がさっと駆けつけた。
ゲート付近に設置する案内所テント等を用意してたらしく、手にはパンフを掴んでた。
建前は禁止されてる携帯電話ですぐ119。
「(パンフ見て住所読み上げ)○○高校内にて怪我人1名。高さ2m程の台から頭から転落。
出血あり。17歳男性、A型。現在呼びかけてますが意識なし。救急車願います」

とっとと電話を切ると、血溜りを隠す様に友人の頭ごと脱いだブレザーを被せ、その辺の生徒に
「君と君、悪いが保健の先生を呼んできてくれ、ついでに担架も頼む。君も付いて行って必要な道具を運んでくれ。
君は同じクラスだったね、担任の先生を探してきてくれないか」
とパッパと指示し、指された生徒は弾かれた様に走っていった。
俺他数人は何をするでもなくオロオロと倒れた友人を取り囲むだけだった。

やがてブレザーを払いのけようと友人の手が動いたが、お兄さんはそれを抑え
「動くな。気づいたか?(ブレザーをちょっとめくって)見えるか?この指何本だ?」
「名前は?年齢は?今何が起こったのかどこまで分かる?」と淡々と質問を続け、
友人もそれに訥々とではあるが答えていた。
「よし、大丈夫だ。頭は血が多いからちょっと切っても大量に血が出る。心配するな。
つらいなら目を瞑っててもいいしもう喋らなくていい。だが、きつくない程度でいいから、
俺の手を握り返してろ。無理しない程度でだぞ」
お兄さんはいつの間にか友人の手を握っていた。一つ違いのお兄さんがすごく大人に見えた。

程なく保健の先生が、更にすぐに救急車が来た。んでお兄さんと保健の先生が付き添いで救急車に乗って行った。
友人の怪我は大した事なく、数針縫ったが骨や脳に異常はなかった。
友人宅にはよく遊びに行くからお兄さんとも面識はあったけど、この二人は素っ気ないというか
淡泊な間柄の兄弟だと思ってたし、実際とても冷静、冷淡とも言える反応だった気がする。
でも、これが兄弟なんだなあと思うと、一人っ子の俺はとても羨ましかったな。

ごめん長い。







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